暗雲立ちこめる県大会前日
話は14日の水曜日にさかのぼる。
この日、県大会前の練習で外野ノックを受けていた息子は、前の打球を捕ろうと突っ込んだところで体勢を崩し、足首を捻ってしまった。
そのときはそれほどの痛みではなく、「大したことがなくて良かった」と安心していたが、寝る前になってかなり腫れてきた。
翌朝(木曜日)、腫れはややおさまったものの痛みがあるとの事で、整形外科に連れて行ったところ、「骨に異常はないが、足首を支えている靱帯のうち、2-3本が、部分断裂している恐れがある。一番早く治すには、ギブスして2-3週間固定する事だが、そうなると、再びスポーツができるまでには約2ヶ月かかる」と言われたらしい。息子も嫁もショックだったらしいが、息子が「今度の土曜日に大事な試合があるので、ギブスはしたくありません」とはっきりと医師に告げたため、相手も「それなら強制はしないが、無理はしないように」との事で、とてもじゃないが試合出場は無理そうな状況だったらしい。
その時点で、かなり落ち込んだ嫁からの電話を受けて、私も、息子自身の思いやチームに対する影響を考え、いたたまれない気持ちのまま1日仕事した。
監督に状況を連絡する必要もあったので、夕方、職場から今治駅まで歩く間に嫁に電話してその後の様子を聞いてみたが、今度はやや声が明るい。
その後、テーピングの相談の為に前に行ったことがある整体院で診てもらったところ、「腫れもかなりおさまっているし、痛がり方もそれほど酷くないので、靱帯損傷までは行ってないのではないか?それでも全治1週間。土曜日の試合に出るというのなら、金曜日の晩にテーピングしてあげるので来て下さい」と言われたらしい。
実際、帰ってみると、息子が普通に床に座って勉強している。
力を入れたりしない限り痛みはないし、前日よりは良くなっているらしい。それでも、走ったりバットを振ったりは怖くてできない状態で、実際に試合に出られるのかは、私から見ても五分五分の状態と思えた。
金曜日。仕事場でもいろいろあって(7人中1人が急性盲腸炎で今日まで1週間入院。1人が今日だけ忌引で休みと言う、忙しい状況)バタバタしていたが、たまたま都合で定時に帰る人のクルマに乗せてもらって、玉川経由で6時30分過ぎに帰宅。塾帰りの息子を古町駅近くの整体院に連れて行く。

私は駐車場で待っている事にしたが、思った以上に時間がかかり、7時頃に中に入った息子と嫁が出てきたのは1時間以上経ってから。
先に出てきた息子は、真っ暗な駐車場でダッシュしてみたりボールを投げるポーズをしたりして状態を確かめている。本人のもどかしさが伝わってくるようだった。普段、悩んでいたり困っていても、そういう面を表に出す事が少ない息子にしては珍しい事で、それだけに息子の気持ちがわかって、こちらとしても胸が痛んだ。
嫁に様子を聞くと、整体師の先生が「かなり良くなっているが、あと2-3日は欲しいところですね。あとは、本人次第」と言ったらしい。
息子に聞いてみたが、「出たい気持ちがあるけど、チームに迷惑がかかるかも…」との事で、やはり何ともない事はないようだ。
その後、監督に報告する電話を入れた時に電話を替わり、監督から息子に声をかけてもらったが、それが効いたのか、多少元気が出てバットを振ったりしている。
大事な試合を前に、息子にとっては「まず試合に出られるのか?」と言うレベルの状態で、まったく残念な状態となったが、問題は試合結果である。さて、どうなるのか。