デイヴィッド・L・ロビンズ「ルーズベルト暗殺計画」
原題は「The Assassins Gallery」で、邦訳の題名は非常にわかりやすい作品。最近になって読んだ「クルクス大戦車戦」の著者の最新作。

この手の「20世紀の有名政治家の暗殺計画もの」と言うのも、フォーサイスの「ジャッカルの日」をはじめとして、かなりの数の作品があるが、ルーズベルトを対象にした小説と言うと私の好きなグレン・ミードの中でも最もお気に入りの「熱砂の絆」ぐらいしか知らない。(最後が病死だし)
このジャンルも、「ジャッカルの日」みたいな「非人間的なプロ中のプロ」的な暗殺者(言ってしまえばゴルゴ的)から、「人間味のある人物が、様々な事情により、疑問点を持ちながらも任務を遂行しようとする」話が増えてきたような気がする。(古典と言えるがジャック・ヒギンズの「鷹は舞い降りた」等)
そんな中、この作品の暗殺者は「アラブの暗殺者(アサシン)の血を引くプロ」で、恋人や子供を人質に取られているわけでもなく、アメリカに対する復讐や政治信条の為でもなく、ただお金のためだけに次々に殺人を犯していく女性であり、やや異色と言える。
以下ネタバレになるので、詳しくは書かないが、暗殺者を追う主人公との中盤での出会いや、クライマックスの場面のあっさりした描写とその結末…かなり異色な「暗殺もの」であったと思う。
全体的には面白かったと思うが、結末が納得いかないので読後感は今ひとつ。
どうやら同じ主人公でのシリーズ物も出るようなので、機会があれば読んでみよう。