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第1章(2)1996年は傍観者

 1995年の秋、QV-10にショックを受けた私だが、結局、翌1996年はデジカメを購入しないまま過ぎていった。

 実は、この年(1996年)の5月に最初の子供(息子)が、生まれることになっていて、その記録を残す方法を考えていたが、さすがにこの時期のデジカメで、大事な記録を残すのは、(画質もパソコン環境も)無理と判断し、銀塩カメラとビデオカメラを選ぶこととした。

 銀塩カメラは、(常盤貴子のCMに惹かれて買った)キヤノンのコンパクトカメラ「オートボーイ・ルナ」。ビデオカメラは持っていなかったので、嫁が入院(帝王切開だった)する日にパナソニックのデジタルビデオカメラを買った。

 ビデオカメラも、最初は珍しくて、子供も含めて様々なものを撮っていたが、テレビに繋いで見るのが面倒だし、生まれたばかりの子供は、それほど動くわけじゃないので、珍しさが薄れるに従い、あまり撮らなくなってしまった。(現在でも、要所要所では撮っているが)

 こう言ういきさつから、「やっぱり、自分には(静止画の)カメラの方が向いている」と思い、デジタルカメラに再び目を向ける事になった。

 と言っても、この当時、デジカメ関係の雑誌があるわけもなく、情報収集は「月刊ASCII」なんかのパソコン雑誌に頼っていたが、やはりデジカメは「注目のデバイス」だったようで、デジカメコーナーがあり、新製品のレビューなんかが載っていた。一方、カメラ雑誌の方は、一応スチルカメラの一種として「アサヒカメラ」や「CAPA」で取り上げていたが、画質が「写ルンです」以下だったためか、なんとなく冷ややかな扱いだった記憶がある。

 ちなみに、最初にショックを受けたQV-10に関しては、画質はともかく「内蔵メモリのみ」と言う仕様が気に入らず、購入に至らなかった。

 この年のデジカメで注目されたのは…

[DS-7][DS-8]
 富士フイルムが「QV-10キラー」として発売したデジカメ。
 「35万画素」「液晶モニタ」と言う当時の標準的な性能に加え、「交換メディア」に対応した点で、QV-10より将来性・拡張性に優れていた。この当時は、SSFCと呼ばれていたスマートメディアは、「デジカメのフィルム」として期待されていたが、その後、動作電圧が5Vから3.3Vになり、主流となった3.3VメモリにDS−7とDS-8が対応していなかったため、やや使い勝手の悪い物となってしまった。スマートメディアは、その後も規格の変更が続いたため、この当時のファンからは、「CFに比べて信用できない規格」という印象を持たれてしまった。
 画質は、発色はフィルムメーカらしく優秀だが、解像度はやや物足りなかった。解像度は、DS-8で改善されたが、逆に「女性を撮るならDS-7」とまで言われた味わいは薄れたような気がする。
 電池は、単3のニッケル水素電池を使えば、それなりに持ったが、一枚撮ると撮影可能になるのに30秒近く待たされたため、気軽にシャッターを押すことは出来なかった。(この点は、DS-8でやや改善された)

 今となって考えると、「これを買っておけば良かった」と思う機種だが、当時、なんとなくスマートメディアに対して信頼が置けなかったため、見送ってしまった。

[QV-100]
 QV-10の正常進化モデルとして、発売前は非常に期待されていたが、画質に問題があり交換騒ぎを起こしたことで、大きなイメージダウンとなってしまった。
 私見だが、カシオのデジカメが、他のメーカ並みの評価を得るのは、QV-8000SXまで待つことになってしまった。

[DC-2シリーズ]
 この時点で最も「マニア向け」だったのが、リコーのDC-1から始まるオペラグラス型デジカメだったはず。DC-2は、液晶モニタに対応したりして、なかなかの力作だったと思うが、値段的にやや高めで手が出なかった。

[C-400L][C-800L]
 現在(2002年)まで繋がる、C-900系列のご先祖様。なかなかの解像度と、おとなしめの発色と言ういかにも「補色系CCD」っぽい画質を持っていた。C-800Lは、ビデオカメラ用のCCDを流用した80万画素モデルで、この時点で唯一「L判にプリントして写真に見える画素数」を持っていたが、内蔵メモリのみで交換メディアに対応していない点でパス。

[PowerShot600]
 この時点で、ほぼ最高の画質を持っていたデジカメ。50万画素と言え、C-800Lを凌ぐ画質を持っていたのは、さすがキヤノンと言うところか。ただ、液晶モニタが無い点が気に入らずパス。

[DSC-F1]
 ソニーらしい所有欲をくすぐられるデジカメで、レスポンスも当時の水準を超える速さだったが、値段の高さと内蔵メモリのみの点が気に入らずパス。

[CP-100][CP-200]
 画質や操作性はそれほど悪くなかったようだが、液晶モニタが外付け(CP-100は付かない)だったことと、笑ってしまうような大きさ(本物を見たとき宣伝用のハリボテかと思った)からパス。

 結局この時期のトレンドというと、

(1)撮像素子は、プログレッシブスキャンの正方画素で35万画素程度のCCD。
(2)コンパクトフラッシュかコンパクトフラッシュの交換メディアに対応。
(3)液晶モニタ付き。
(4)レンズは40mm(相当)前後でそれなりに明るい単焦点。
(5)電源は単3電池4本。
(6)パンフォーカスでAF無しなのでシャッタータイムラグは割と小さいが、撮影間隔は10秒程度と低速。

と言うところか。

 何しろ進歩の速い業界なので、2002年現在で見れば隔世の感があるが、ウェブに載せる写真用と割り切れば、DS-7やDS-8、PowerShot600あたりなら、画質面ではまだまだいけるかもしれない。

 さて、1996年はこうして暮れていくが、翌1997年には、遂にデジカメ購入となった。これだけ迷って私が選んだ機種とは?「自己紹介」のページ見れば丸わかりだが、一応乞うご期待!

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